もう12月です。年末年始に気をつけたいこと
ハイサイ、院長の高良です。
今年も残すところわずかとなりました。安謝ファミリークリニックとして診療開始してから2年がたちます。小児の方はもちろんですが大人の方々にも受診いただけるようになってきており、励みになっております。これからも新しい知識や技術を研鑽していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
これから年末年始に入りクリスマスやお正月、楽しみなことが目白押しなのです。しかし、医学的には注意しないといけないことがあるようです。
1.クリスマスと正月は心疾患による死亡率が高くなる!?
これはアメリカでの統計データによるものですがCirculation. 2004;110:3781–3788に"Cardiac mortality is higher around Christmas and New Year's than at any other time: the holidays as a risk factor for death"という論文が掲載されていました。
添付のグラフのごとく、クリスマスと正月は死亡率が高いとのことです。論文の考察では、みんな休みだから発症から治療までの対応に時間がかかるためではないか?とされていましたが、通常の休みの日よりも明らかに上昇しておりますので他の要因があるのかもしれません。アメリカのデータなので日本でも同様かどうかは示せませんが、年末年始は急な運動や普段飲まないお酒の飲みすぎなど気をつけたほうが良いのかもしれません。
2.正月は餅に気をつけよう
餅による窒息死亡事故は2019~2020年の間に661名もおり、ニュースでも毎年報道されておりますのでみなさんご存知のことと思います。
しかし、餅によるイレウス(腸閉塞)があることをご存知でしょうか?
餅の主成分は澱粉でできています。一般的は消化の良い食べ物でありそうな印象を持たれている方もいますが、理化学的には消化が難しい食べ物なんです。また、餅は熱すると柔らかくなりますが冷えると固まります。ですので食べた時はやわかかかったけど、腸の中で冷えて硬くなってしまうという性質もあります。
ちょうど白くなっているところが餅です。餅が詰まって腸が膨らんでいるのがよくわかります(CT画像なので難しいかもしれません。すみません)
こんなふうに餅が詰まってしまうとなかなか自力で出すことも難しくなり手術になることも多いです。
原因は咀嚼不十分が挙げられており、早食いの方や入れ歯があっていない方などは注意が必要です。
これから楽しみな年末年始前に少し怖い話を書いてしまいましたが、みなさま年末年始も健康に過ごせますようにご自愛ください。