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大腸がん検診・大腸カメラの重要性

[2024.08.10]

 ハイサイ! 院長の高良です。
 沖縄はコロナの流行もおさまってきましたね。天気が続いて暑い日が続きますが、熱中症にはお気をつけください。

 熱中症対策も重要ですが、定期的な体のメンテナンス・検査も重要です。今回は大腸癌検診について論文を交えてまとめてみました。

1. 大腸がん検診はいつ受けるのがいいの?

 大腸がんは、日本におる主要な死因の一つです。特に、40歳以上の成人においてリスクが高くなってきます。こちらのグラフは大腸癌の年代別罹患率を示したものです。40歳くらいからグラフが立ち上がってきていますね。50歳台になると約500人に1名ほどいるようです。少なくない数字とは思いませんか?
 こういった理由から大腸がん検診(便潜血検査)は40歳から受けることができるようになっています。

2. 他にも"がん"はありますけど、大腸がんって特別なの?

 日本では男女で体の違いから、なりやすい"がん"は異なりますが大腸がんに関しては男女ともに死亡数が上位(男性では3位、女性では1位)になっており、検診の重要性が高いと考えられます。もちろん他の胃がん・肺がん・子宮がん・乳がんなども下のグラフを見てわかる通り死亡数が多くそれぞれがん検診の対象となっています。

3. 大腸がんによるリスクは地域によって差があるって本当?

 本当です。実は沖縄は大腸がんで亡くなるかたが他県よりも多くなっております。検診受診率も他県と比べると低いものになっているのも理由の1つにあげられます。日々の仕事や育児で忙殺される毎日とは思いますが、この記事を読まれた方は一度検討いただきたいです。

        大腸がんによる死亡数の比較です。沖縄は色が濃ゆくなっています。

       大腸がん検診の受診率です。沖縄の受診率の低さが目立ちます。

4. 大腸がん検診は便潜血となっていますが、はじめから大腸カメラではだめですか?

 もちろん、定期的に大腸カメラを受けることは大腸がんの発生率と大腸がんによる死亡率を低減させることがわかっております。また、大腸カメラを受けることで便潜血では見つけることができないポリープ(がんの前段階のポリープは出血しないことが多いです。)を発見し、同時に切除できるメリットがあります。少しでも体に違和感(急に便秘になった・細い便しか出ない・血便が出る)を感じられている方や大腸がんになりやすい持病を持たれている方(潰瘍性大腸炎や糖尿病など)は、便潜血をせずに大腸カメラを受けることをおすすめします。

5. ではなぜ、大腸がん検診には大腸カメラはなく便潜血検査しかないの?

 まず第一に費用対効果の問題です。検診は本来は国民全員に受けていただきたいものであるため、公費での負担を考えると大腸カメラは費用が嵩んでしまうということです。(3割負担の方の保険診療では検査費用のみで約5千円ほどかかります。※生検やポリープ切除は別途かかります。)
 また、いきなり大腸カメラと言われると尻込みしてしまうので心理的ハードルをさげ受診率向上につながるといった狙いと実際に便潜血検査によって、大腸がんによる死亡率が70%も低下したとの報告もあり、十分効果のある検査であると認知されているからです。

6. でもやっぱり一度は受けておきたい大腸カメラ

 前述しましたが、スクリーニング目的の大腸カメラはポリープを切除することができるという側面もあります。がんの前段階と言われているポリープをあらかじめ全て切除しておくことで大腸がんの予防につながりますし、ポリープがなかった場合も5~10年は大腸カメラをしなくても安心である(アメリカでは10年)という報告もありますので、一度受けておくと安心かもしれません。(院長は4年前に受けました。ポリープは幸いありませんでしたが、そろそろですね、、、)

7.お財布にも優しい大腸がん検診

 大腸健診は、経済的な観点からも重要です。そもそも便潜血の検査は無料で受けられますし、早期にがんを発見して治療を開始することで、進行したがんに比べて治療コストが大幅に削減されることが分かっています。定期的な大腸がん検診は、がんの治療費を長期的に削減する可能性が高く、結果的にコスパがいいということです。

結論

 長々と書きましたが、大腸がん検診受けましょう! 

   

 

 

 

 

 

 

 

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