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胃・十二指腸の病気(胃潰瘍・胃がんなど)

胃や十二指腸(胃と小腸を繋ぐ消化管)の病気で多いのは、胃酸やピロリ菌等によって粘膜が傷つけられて起こる胃潰瘍・十二指腸潰瘍です。その他に、胃がん・十二指腸がんなどがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃酸やピロリ菌、食物、薬物、飲酒、喫煙等で胃や十二指腸の粘膜が傷つけられて起こる病気です。

原因とその理由

1.ピロリ菌
 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因の大部分を占めています。
 幼少時(大体5 歳までに)に、家族からの感染や井戸水の飲水などにより胃のなかに住みつきます。
胃のなかは胃酸により酸性に保たれているため、大抵の細菌は住み着くことができません。しかし、ピロリ菌は、ウレアーゼという胃酸を中和する酵素を使って胃に定着することができます。
 ピロリ菌が胃に定着すると、胃は少しずつ慢性的な炎症を引き起こし萎縮することで、胃の粘膜を保護している粘膜を壊してしまいます。そのことにより、胃潰瘍につながることが知られています。また同様に十二指腸潰瘍の原因になっていることも知られています。

2.鎮痛剤(ロキソニンなどのNSAIDsと言われる薬。バファリン・アスピリンなども含まれます。)
 ピロリ菌と併せて2大原因とも言われております。ロキソニンなどの痛み止めは、一般的にも胃に悪いというイメージはありますが、飲む量や期間が長くなると胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となります。飲み薬だけではなく、湿布薬でも貼る枚数によっては胃潰瘍・十二指腸潰瘍を発症した症例もありますので過剰な使用はご注意が必要です。
 よく、ロキソニンなど処方される場合は胃の粘膜保護剤(ムコスタなど)を一緒に処方される場合がありますが、長期の内服になると潰瘍予防は十分で無いとの報告があります。

3.飲酒・喫煙・コーヒー・(塩辛い食べ物)・カプサイシンなどが入った辛い食べ物
 アルコールやカフェイン、カプサイシン、過剰な塩分は胃酸の量が増える原因となります。また、喫煙は、胃酸の量を増やすばかりか潰瘍ができた後に治癒を遅らせることが知られています。
 胃不調がある場合は、禁酒・禁煙、上記の食事は避けた方が良いでしょう。

4.ストレス
 ストレスは現代社会では避けようがないものの一つではありますが、いろいろな体の不調の原因となります。その一つとして胃潰瘍・十二指腸潰瘍が知られています。ストレスの極端な例として、脳卒中になった時のストレスで胃潰瘍が発症することが知られています。日頃のストレスは、規則的な食生活と睡眠時間の確保、適度な運動により解消されると言われています。 

症状

症状としては、空腹時の胃の痛み、お腹の張りなどがあります。潰瘍がひどくなり、出血している場合は黒い便が見られる(黒色便)こともあります。血液の中にあるヘモグロビン(鉄が含まれています。)が胃酸と反応して黒くなるためです。こういった症状が見られた場合は、まずは先ほど挙げた原因の2番と3番(薬や食事、喫煙、飲酒)に気をつけていただきすぐにご相談ください。
 胃カメラを行うことにより、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断することができます。診断後、原因の検索を詳細な問診と血液検査や呼気検査(ピロリ菌の検査)により特定いたします。

治療

 治療は基本的に、制酸剤(PPI,P-CAB)の内服により治療ができます。
 また、原因に併せて(ピロリ菌であればピロリ菌の除菌を)治療方針が決定いたします。
 胃潰瘍・十二指腸潰瘍が深いものであった場合や出血が見られている場合は、入院が必要になる場合があります。その際は、適切な医療機関への紹介・搬送に努めております。

 

胃がん・十二指腸がん

 胃や十二指腸にできるがんを指します。アジア圏では、とくに胃がんの発生率が高いと言われています。また、初期の自覚症状がほとんどないため、初期での発見は難しいと言われていますが定期的な胃カメラによる検診により早期に発見治療することができます。

原因

1.ピロリ菌
 胃潰瘍・十二指腸潰瘍と同様にピロリ菌が原因の1つと言われています。
 ピロリ菌を除菌することにより障害の発癌リスクは1/3程度に減らせるとの報告もあります。ピロリ菌は、胃カメラにより胃の状態を確認後に血液検査・呼気検査・尿検査などにより診断することができます。内服薬で簡単に除菌が可能ですので、一度検査をお勧めします。

2.生活習慣
   塩分が高い食事や喫煙などでリスクは上昇します。また、糖尿病と診断された方は胃癌に関わらずさまざまな癌のリスクが上昇することが知られていますので、定期的な検査が必要です。 

症状

 早期癌の段階では、基本的に症状はありません。進行してくると、腹痛、吐き気、食欲減退、嘔吐、吐血、黒色便、体重減少などの症状が現れます。食欲がないことが続いたり、ダイエットもしていないのに体重が減っていく場合などは注意が必要です。


検査・治療 

 早期の段階であれば、胃カメラによる治療(内視鏡的粘膜剥離術:ESD)によりお腹を切らずに治療を行うことができ完治が望めます。しかし、進行してしまうと外科的な手術や抗がん剤の治療が必要となりステージが進んでいる場合は完治が難しい場合もあります。
 できるだけ早期に発見・治療が望ましく定期的な胃カメラによる検査をお勧めします。

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