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院長、AIになる!? ― 私がAIアバターで患者説明を体験して感じた医療の未来

[2025.06.10]

 ハイサイ! 安謝ファミリークリニック院長の髙良です。

 日々の診療で、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供できるよう努めておりますが、先日、未来の医療の形を垣間見るような、非常に興味深い体験をしました。今日はその驚きと、そこから考えたAIと医療の未来について、少しお話ししたいと思います。

 私が「AIアバター」になってみた話

 皆さんは「生成AI」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。最近では、文章を作ったり、絵を描いたりするAIが話題ですが、私が試したのは「VEO2」という動画生成AIツールです。

 使い方は驚くほど簡単でした。自分の顔写真を1枚アップロードし、話してほしい内容(今回は患者さんへのご説明を想定した文章)を入力するだけ。すると、数分後には画面の中で「私自身が」その文章を滑らかに話している動画が完成したのです。

 正直なところ、最初は「どうせ機械的な動きだろう」と高を括っていました。しかし、出来上がった動画を見て、思わず「すごい!」と声が出ました。口の動きや瞬き、微妙な顔の動きが驚くほど自然で、まるで本当に自分がカメラの前で話しているかのようでした。そのリアルさには、少し怖さを感じるほどでした。

 この体験を通じて、AI技術がもはやSF映画の中だけの話ではなく、私たちのすぐそばまで来ていることを改めて実感しました。

この写真が

こんな感じになりました。(サイズ調節できずデカくなりました、、、)

AIは医療をどう変えるのか?

この「AIアバターの私」を見て、すぐに頭に浮かんだのは、医療現場での活用でした。

例えば、

  • 24時間対応の説明窓口: 手術後の注意点や、お薬の飲み方など、定型的ですが重要な説明を、いつでも患者さんのスマホで見られるようになります。しかも、私の顔で、私の声で(※)、丁寧にご説明できます。

  • 多言語対応: 日本語が不得意な患者さんにも、AIが翻訳し、まるで私がその言語を話しているかのように説明動画を作成することも可能になるでしょう。

  • 待ち時間の有効活用: 診察をお待ちいただいている間に、その日の体調に関する簡単な問診をAIアバターが行い、診察をよりスムーズに進める手助けをしてくれるかもしれません。

これらはほんの一例です。診断の分野では、AIがレントゲンやCT画像を解析して、人間の目では見逃してしまうような微細な病変の兆候を見つけ出す研究も進んでいます。AIは、医療の質と効率を飛躍的に向上させる、強力なパートナーになり得るのです。

 AI時代にこそ「人の温かさ」が重要になる

 では、AIが進化すれば、医師は不要になるのでしょうか?
私は、その答えは明確に「いいえ」だと考えています。

 今回の体験で確信したことがあります。それは、AIはあくまで「ツール(道具)」であり、医療の主役は、これからも変わらず「人と人との繋がり」であるべきだということです。

 AIは、膨大なデータを処理し、正確な情報を提供するのは得意です。しかし、患者さんの不安な表情を読み取り、その声に耳を傾け、手を握って「大丈夫ですよ」と励ますことはできません。一人ひとりの生活背景や価値観を理解し、共に治療のゴールを目指す。そんな血の通ったコミュニケーションこそが、医師や医療スタッフにしかできない、最も大切な役割です.

 これからの医師は、AIという新しい「聴診器」を使いこなしながら、より多くの時間を患者さんと向き合うために使うことになるでしょう。煩雑な作業はAIに任せ、私たち人間は、より人間らしい「心に寄り添う医療」に集中できるようになる。私は、そんな未来を想像しています。

最後に

 AIの進化は、私たち医療者にとっても未知の領域です。しかし、その可能性にワクワクしているのも事実です。
当院では、これからも最新の技術にアンテナを張りながら、その技術を何のために使うのか、という原点を決して忘れません。

 最終的に目指すのは、技術の先にある、患者さん一人ひとりの安心と笑顔です。AIという新しい仲間と共に、より温かく、より質の高い医療を提供していけるよう、スタッフ一同、学び続けていきたいと思います。

 今後とも、 安謝ファミリークリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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