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チョコレートと健康

[2025.02.24]

 ハイサイ、院長の高良です。小学生の頃はバレンタインデーが近づいてくるともしかして自分にも?なんて思っていた時期がありましたが、皆さんはいかがだったでしょうか?院長がもらえていたかどうかは聞かないでやってください。

 チョコはポリフェノールが入っているので抗酸化作用があり体にいい。チョコは冷やして食べるとカロリーが死ぬので0 kcalだ(サンドイッチマン風)など色々な話が聞こえてきますが実際の研究ではどうでしょうか?

1. 心血管への影響:抗酸化作用と血流改善

カカオに含まれるフラバノール(特にエピカテキン)は、強力な抗酸化作用と抗炎症作用を持ち、血管内皮機能を改善することで心血管疾患リスクを低下させるとされます。
- Journal of Nutrition(2017年)の研究では、ダークチョコレート60g/日を4週間摂取した被験者で、血管拡張反応(FMD)が2%向上し、動脈硬化の抑制が確認されました[1]。
- メタ分析(British Journal of Nutrition, 2020)では、カカオ摂取が収縮期血圧を平均1.8 mmHg低下させる効果が報告されています[2]。
一方で、効果には個人差があり、長期的な影響についてはさらなる研究が必要とされています。

2. 認知機能とメンタルヘルス

カカオのテオブロミンやカフェインは神経伝達物質の分泌を促進し、認知機能や気分の改善に関与するとされます。
- Appetite誌(2020年)の研究では、ダークチョコレート摂取後に記憶力テストの成績が向上し、ストレスホルモン(コルチゾール)の減少が観察されました[3]。
- イタリアの研究(2021年)では、高カカオチョコレートがBDNF(脳由来神経栄養因子)を増加させ、抑うつ症状の緩和に寄与する可能性が示されました[4]。

3. 代謝への影響:インスリン感受性

カカオポリフェノールは、インスリン抵抗性の改善に役立つ可能性があります。
- Nutrition & Diabetes(2018年)の実験では、15gの高カカオチョコレートを8週間摂取した被験者で、インスリン感受性が15%向上し、酸化ストレスマーカーが減少しました[5]。
ただし、市販チョコレートの糖分や脂質過多は逆効果となるため、製品選択が重要です。

4. リスクと注意点

カロリー過多:チョコレートは脂質(約30%)と糖分を含むため、過剰摂取は肥満や糖尿病リスクを高めます。
 加工方法の影響:ダッチプロセス(アルカリ処理)されたチョコレートはフラバノール含有量が最大      90%減少します[6]。
 個人差:カフェイン過敏症や片頭痛誘発リスクがある人には不向きです。

5. 結論:適量と質の重要性

 現時点のエビデンスから、1日20~30gの高カカオチョコレート(70%以上)を適度に摂取することは、心血管・認知機能の改善良さそうですね。ただし、砂糖や添加物の少ない製品を選び、総摂取カロリーに気をつけなければ逆に肥満になり逆に健康リスクが高まると思われます。
 今回紹介した研究は、長期的な影響や摂取量の最適化がまだはっきりトン級されておらず。チョコレーと会社からの資金提供もあるので多少贔屓目に分析されている可能性もあり、そこも加味して考えないといけないですね。

[1]: Grassi et al., "Dark Chocolate Improves Endothelial Function in Humans", J. Nutr., 2017.
[2]: Ried et al., "Effect of Cocoa on Blood Pressure", Br J Nutr., 2020.
[3]: Messerli, "Chocolate Consumption and Cognitive Function", Appetite, 2020.
[4]: Borgwardt et al., "Cocoa and Depression", Nutrients, 2021.
[5]:Davison et al., "Cocoa Polyphenols and Insulin Sensitivity", Nutr Diabetes, 2018.
[6]: Miller et al., "Impact of Alkalization on Flavanol Content", J Agric Food Chem., 2008.

 今年頂いたチョコレートです。ずっしり詰まってました。

 

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