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沖縄消化器内視鏡会③

[2025.05.11]

ハイサイ、院長の高良です。
 みなさま、ゴールデンウィークはいかがだったでしょうか? 昨年はインフルエンザが目立ちましたが、今年は百日咳が登場するなど感染症が途切れませんね、、、

 先月の話にはなりますが、4月23日に沖縄消化器内視鏡会に参加してきました(今回もzoomでの参加でした)。昨年も同じようなことを書きましたが、クリニックにこもっている身としては、他病院の先生の講義や症例発表を拝聴できる貴重な機会です。
 

 症例提示では、黒色便の精査の症例でした。
 通常黒色便というと胃潰瘍や十二指腸潰瘍出血、逆流性食道炎からの出血や、胃のangioectasia、過形成性ポリープからの出血、胃がん、食道がん、食道静脈瘤などぱっと思いつくだけでも多岐に渡りますが、そのほとんどが食道や胃、十二指腸からの出血です。しかし稀に小腸(空腸、回腸)からの出血ということもあります。
 今回は、通常の胃カメラ、大腸カメラでは病変はいつからず結局小腸も腫瘍が原因といった症例でした。
 食道から十二指腸であれば一般的な胃カメラで観察可能ですので、クリニックでも診断可能となりますが、小腸の精査と言われるとクリニックでは対応困難となります。
 小腸の病気を見つけるためには、カメラで見るにはバルーン小腸内視鏡という特殊なカメラや、カプセル内視鏡という特殊なカメラが必要になります。


ダブルバルーン内視鏡

 
カプセル内視鏡

 普段健診では見慣れない内視鏡ですよね。

 ダブルバルーン内視鏡は、風船を膨らませたり閉じたりすることで尺取り虫のように進んで行くことができ長い小腸を観察することができますが、長い内視鏡を入れていくため患者さんへの負担も大きく鎮静剤を用いなければまず耐えられません。また、レントゲンも使いながら安全を確認しながら行うことも必要ですので、レントゲンの被曝や医師が2人以上必要になるなど結構大変な検査です。

 カプセル内視鏡も患者にとっては飲んだらおしまい(実際には画像を受信する機会を半日首から下げとかないといけません。)といった検査ですが、その後の画像の評価はかなり医療者側からすると結構大変です。(約50000枚の写真を流し見して病変を探す作業が必要になります。)

 十二指腸にできる腫瘍自体が胃や大腸に比べて稀なこともあり、あまり目にする機会がない症例でしたので非常に勉強になりました。

 

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