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認知症の予防の鍵は、、、ビタミンB12!?

[2025.11.10]

ハイサイ!安謝ファミリークリニック院長の高良です。

今回は、私たちの健康と深く関わる「認知症」について、そしてその予防に役立つかもしれない最新の研究をご紹介したいと思います。最新の論文(Higher vitamin B12 from mid‐ to late life is related to slower rates of cognitive decline)でビタミンB12が認知症予防の鍵となる可能性が示されています。

ビタミンB12とは?

ビタミンB12は、水溶性ビタミンの一種で、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っています。主な働きは以下の通りです。

  1. 赤血球の生成を助ける: 貧血を防ぎ、全身に酸素を運ぶ大切な役割です。

  2. 神経機能の維持: 脳や神経が正常に働くために不可欠です。

  3. DNAの合成: 細胞が新しく作られる際に必要となります。

この神経機能の維持という点が、認知症予防との関連で特に注目されているのです。

最新の研究が示唆すること:ビタミンB12と認知機能

 今回の取り上げた論文では、ビタミンB12が不足すると、脳の機能に影響が出やすくなる可能性が示唆されています。具体的には、ビタミンB12の欠乏が、認知機能の低下や認知症のリスクを高める要因となる可能性が指摘されているのです。

 特に、高齢者におけるビタミンB12の重要性が強調されています。加齢とともに、胃酸の分泌が減ったり、胃の粘膜が萎縮したりすることで、食品中のビタミンB12を吸収する能力が低下する傾向にあります。そのため、たとえ十分にビタミンB12を摂取しているつもりでも、体内で不足しているケースがあるのです。

 ビタミンB12は、ホモシステインという物質の代謝に関与しています。ホモシステインは、体内で増えすぎると血管にダメージを与え、脳の血流悪化につながることが知られています。ビタミンB12が十分に摂れていれば、このホモシステインが正常に代謝され、脳の健康維持に役立つと考えられています。

 もちろん、これらの研究はさらなる検証が必要ですが、普段からビタミンB12を意識して摂取することが、将来の認知症予防に繋がるかもしれないというのは、私たちにとって希望の光ですね。

ビタミンB12が豊富な食事とは?

 ビタミンB12は、主に動物性食品に多く含まれています。残念ながら、植物性食品にはほとんど含まれていませんので、特に菜食主義(ヴィーガン)の方は意識的な摂取が必要です。

【ビタミンB12が豊富な食材】

  • 魚介類: 特に貝類(しじみ、あさり、牡蠣など)に非常に多く含まれています。イワシ、カツオ、サンマなどの青魚も良い供給源です。

  • 肉類: 牛肉、豚肉、鶏肉のレバーなどに多く含まれます。

  • : 卵黄にも含まれています。

  • 乳製品: 牛乳やチーズなどにも含まれています。

それでは、具体的な食材をいくつか見てみましょう。

しじみ:ビタミンB12の宝庫!お味噌汁や酒蒸しで手軽に摂取できます。
サバ:DHAやEPAも豊富なサバは、焼き魚や煮付けで。
牛レバー:鉄分も豊富で、貧血予防にも。レバニラ炒めなどがおすすめです。
:手軽に摂れる万能食材。

調理の注意点と効果的な摂取方法

ビタミンB12は水溶性ビタミンですが、比較的熱に強く、通常の調理であれば大量に失われる心配は少ないとされています。しかし、以下のような点に注意すると、より効率的に摂取できます。

  • 汁ごと摂る: 貝類のお味噌汁や煮魚の煮汁には、溶け出したビタミンB12が含まれていますので、ぜひ汁ごといただくようにしましょう。

  • 加熱しすぎに注意: 高温で長時間加熱すると、いくらかは失われる可能性があります。サッと火を通すのがおすすめです。

  • 多様な食材から摂る: 特定の食材に偏らず、様々な食材からバランスよく摂取することが大切です。

まとめ

 認知症予防は、日々の生活習慣が大きく影響します。今回の研究を参考に、美味しく、楽しくビタミンB12を食卓に取り入れてみませんか? バランスの取れた食事に加えて、適度な運動や質の良い睡眠も忘れずに行い、心身ともに健康な毎日を目指しましょう。

 

 

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