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2025年記録的猛暑!「節電の夏」に潜む室内熱中症の罠と命を守る対策!

[2025.07.29]

ハイサイ!安謝ファミリークリニック院長の高良です。

連日、太陽がじりじりと照りつけ、猛暑が続いておりますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

以前、私の七夕(旧暦の)での墓掃除の体験談を交えながら熱中症についてお話ししましたが、今年の夏はさらに状況が深刻です。気象庁からは観測史上最も暑い夏になる可能性が示唆され、各地で熱中症による救急搬送のニュースが後を絶ちません。

さらに今年は、電気代の高騰という悩ましい問題も重なっています。「少しでも節電を…」と、エアコンの使用をためらってしまうお気持ち、よく分かります。しかし、その「少しの我慢」が、命に関わる事態を引き起こす可能性があるのです。

今回は、改めて熱中症の危険性と、「自分は大丈夫」という油断が最も危険である理由について、最新の情報を交えて詳しくお話ししたいと思います。

あなたは大丈夫?見過ごされがちな「室内熱中症」「夜間熱中症」

熱中症と聞くと、炎天下でのスポーツや屋外での作業をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、実は熱中症による死亡者の約4割は、屋内で発生しています。(※1)

特に注意が必要なのが、ご高齢の方やお子様、そして在宅ワークをされている方です。

  • 室内熱中症: 高齢になると体温調節機能が低下し、暑さや喉の渇きを感じにくくなります。そのため、気づかないうちに室温が上昇し、脱水症状が進んでしまうのです。「エアコンの風が苦手だから」と扇風機だけで過ごしたり、日当たりの良い部屋で長時間過ごしたりするのは大変危険です。

  • 夜間熱中症: 熱帯夜が続くと、睡眠中にも汗をかき、体から水分が失われます。寝苦しさで十分な休息がとれないと、日中の活動にも影響し、熱中症のリスクがさらに高まります。

「家にいるから安全」という考えは捨て、湿度と室温をこまめにチェックし、ためらわずにエアコンを活用してください。

熱中症のサインを見逃さないで!症状レベル別チェックリスト

改めて、熱中症の症状を重症度別に確認しましょう。ご自身や周りの方にこれらのサインが見られたら、すぐに対処が必要です。

重症度 主な症状 対処法
Ⅰ度(軽症) ・めまい、立ちくらみ・大量の発汗・筋肉痛、こむら返り 【ご自身でできる応急処置】涼しい場所(日陰、クーラーの効いた室内など)へ避難・衣服をゆるめ、体を冷やす(濡れタオルで首、脇の下、足の付け根などを冷やす)・水分・塩分を補給(経口補水液がおすすめ)
Ⅱ度(中等症) ・頭痛、吐き気、嘔吐・体がだるい(倦怠感)、ぐったりする(虚脱感)・集中力や判断力の低下 【医療機関の受診が必要】・応急処置をしながら、ためらわずに当クリニックのような医療機関を受診してください。ご自身で移動が難しい場合は、周りの人に助けを求めましょう。
Ⅲ度(重症) ・意識がない、呼びかけへの反応がおかしい<br>・けいれん<br>・体が熱い(高体温) 【救急車を要請!】・命の危険がある状態です。すぐに救急車(119番)を呼んでください。・救急車が到着するまでの間、涼しい場所へ移動させ、体を冷やし続けてください。

以前の墓掃除の際、私も「中等症一歩手前だった」と反省しましたが、医師である私でさえ油断すると危険な状態になります。「少し休めば大丈夫」という判断が、最も危険なのです。

院長が教える!明日からできる「命を守る」最新・熱中症対策

記録的な猛暑と節電意識。この二重苦を乗り切るために、具体的な対策をご紹介します。

1. 「賢いエアコン利用」で室内環境を快適に

電気代は気になりますが、命には代えられません。

  • 「28℃」はあくまで目安: 湿度が高い沖縄では、同じ28℃でも熱中症リスクは高まります。湿度計も活用し、「室温28℃以下、湿度60%以下」を目安に快適な環境を保ちましょう。

  • タイマー機能の活用: 就寝時は「切タイマー」ではなく、3〜4時間後に再度運転するよう「入タイマー」をセットするのがおすすめです。明け方の室温上昇を防ぎ、夜間熱中症を予防します。

  • 扇風機やサーキュレーターとの併用: 冷たい空気を循環させることで、設定温度が少し高くても涼しく感じられます。

2. 水分補給は「喉が渇く前」に「何を飲むか」が重要

「喉が渇いた」と感じた時には、すでに体は水分不足の状態です。

  • こまめな補給:起床時、朝食時、10時、昼食時、15時、夕食時、寝る前の合計7回にコップ1杯(約200mL)程度の飲み物

  • 経口補水液とスポーツドリンクの使い分け:

    • 経口補水液: めまいやだるさなど、軽い脱水症状がすでに見られる場合に最適です。

    • スポーツドリンク: 大量に汗をかく運動前や運動中の塩分・糖分補給に適しています。

    • 普段の水分補給: 水やお茶(麦茶などカフェインの少ないもの)で十分です。

3. 外出時は「暑さ指数(WBGT)」をチェック!

環境省の「熱中症予防情報サイト」では、熱中症の危険度を示す「暑さ指数(WBGT)」が公開されています。LINEアプリや専用アプリでアラートを受け取ることもできます。外出や屋外での作業前には必ずチェックし、「危険」「極めて危険」な日は、予定の変更も検討してください。

まとめ:ためらわずに、ご相談ください

 「これって熱中症かな?」「なんだか体調がおかしいな」そう感じたら、決して我慢せず、私たち「かかりつけ医」にご相談ください。軽症の段階で適切に対処することが、あなたとあなたの大切な家族の命を守ることに繋がります。

安謝ファミリークリニックは、この夏も地域の皆様の健康を全力でサポートしてまいります。一緒にこの記録的な夏を乗り切りましょう!

【情報の引用元】

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