【医師が解説】ブロッコリーやキャベツで大腸がん予防!最適な摂取量とは
ハイサイ!安謝ファミリークリニック院長の高良です。
今回は、私たちの食卓に身近な野菜「アブラナ科野菜」が大腸がんの予防に役立つという、最新の論文をご紹介します。日々の食事を少し意識するだけで、健康な体づくりに繋がるかもしれません。
大腸がんと食生活の深い関係
ご存知の通り、大腸がんは日本でも罹患数の多いがんです。そのリスク要因の一つとして、食生活が大きく関わっていることが疫学研究で明らかになっています。特に、抗酸化作用のあるポリフェノールや豊富な食物繊維、ビタミンCなどを含む野菜は、がん予防に良いとされてきました。
ブロッコリー、キャベツは「アブラナ科野菜」の代表選手!
アブラナ科野菜とは、具体的にどのような野菜を指すのでしょうか?
-
ブロッコリー
-
キャベツ
-
カリフラワー
-
芽キャベツ
-
ケール
-
白菜
-
大根
などが代表的なアブラナ科野菜です。これらの野菜を積極的に摂ることが、大腸がん予防に繋がる可能性があるという、心強い研究結果が発表されました。
最新研究で判明!アブラナ科野菜と大腸がんリスクの関係
中国の研究グループが、これまでに行われた多数の疫学研究をまとめたメタ解析(BMC Gastroenterology誌2025年8月11日号掲載)によると、アブラナ科野菜の摂取量が多い人ほど、大腸がんの発症リスクが低いことが示されました。
具体的には、アブラナ科野菜の摂取量が最も少ないグループと比較して、最も多いグループでは大腸がんの発生率が17%減少するという結果が出ています。これは、毎日の食生活を見直す上で非常に大きなヒントになりますね。
大腸がん予防に効果的なアブラナ科野菜の摂取量とは?
では、どれくらいの量を食べれば良いのでしょうか?
この研究では、興味深いことに「摂取量と大腸がんリスクの相関は非線形」であることが明らかになりました。つまり、たくさん食べれば食べるほど良い、というわけではないようです。
約20g/日からリスクの有意な減少が見られ、1日あたり40g〜60gの摂取で、最も高いリスク低減効果が得られることが示されました。60gを超えると、保護効果は大幅に減衰するという結果も出ています。
【ポイント】
-
20g/日から予防効果が見られる
-
40g〜60g/日が最も効果的
-
60g/日を超えると効果が薄れる
例えば、ブロッコリーなら小房2〜3個(約40g)、キャベツなら葉1〜2枚(約50g)程度が目安になります。毎日の食事で、意識してこのくらいの量を摂ってみてはいかがでしょうか?
簡単!アブラナ科野菜の取り入れ方
「毎日40g〜60gって、どうやって食べればいいの?」と思う方もいるかもしれません。いくつか簡単な方法をご紹介します。
-
いつものサラダにプラス:ブロッコリーやカリフラワーを茹でて加える
-
味噌汁やスープの具材に:キャベツや白菜をたっぷり入れる
-
炒め物に活用:豚肉とキャベツの炒め物、ブロッコリーと鶏肉の炒め物など
-
副菜として:ブロッコリーのおかか和え、キャベツのコールスローなど
加熱しても栄養素は摂れますので、調理法を工夫して美味しく取り入れましょう。
まとめ:今日から始める大腸がん予防!
今回の研究結果は、日々の食事が私たちの健康に大きく影響することを示しています。大腸がん予防のためにも、今日から食卓にアブラナ科野菜を積極的に取り入れてみませんか?
当院では、大腸がん予防として大腸がん検診(便潜血検査)、や大腸カメラによる検査や日帰りポリープ切除も行っております。気軽にご相談ください。